✍️ この記事の著者情報

【自己成長戦略の専門家】
桑田かつみ
💼 経歴・肩書き:
🔹専務取締役(役員)
🔹1970年生まれ
🚀 実績と提供価値:
🔹平社員から9年で役員に至った実体験に基づいた、再現性の高いリーダーシップ、仕事術、メンタル強化の「自己成長戦略」を共有。
🔹成功論 / リーダー論 / 心のスキルアップ / コミュニケーション術を専門。
🔹Xフォロワー3,000人突破!
【役員直伝】結果主義の慢心がチームを壊す?部下の不満を抑え「納得感」を生むプロセス評価術
「部下を数字だけで評価していれば、公平だ」——。もしあなたがそう考えているなら、それはリーダーとしての「思考の慢心」かもしれません。
平社員から役員へと登り詰める修羅場において、私が痛感したのは、安易な結果評価は部下の不満を爆発させ、チームワークを損なう毒薬になりかねないという事実です。外資系やベンチャーとは異なる、日本企業特有の「曖昧さ」の中で、いかに部下の信頼を勝ち取り、組織を動かすべきか。今回は役員の視点から「プロセス評価」の真実を解説します。
- 日本企業で「結果主義」が機能不全に陥る構造的な理由
- 1億円プレイヤーに「NO」を突きつけるプロセス評価の本質
- 部下の「日頃の貢献」を正しく把握するためのマネジメント術
1. なぜ日本企業で「結果主義」は失敗するのか
上司が結果の数字だけを切り取って評価を下す行為は、高いリスクを伴います。結果が出なかった部下はもちろん、結果を出した部下でさえも「自分の努力の質を本当に見てくれているのか?」と疑念を抱くからです。
特に日本企業は、明確な職務記述書がない中で助け合う「村仕事」のスタイルが根強く残っています。誰が何にどれだけ貢献したのかが数値化しにくい領域にこそ、本質的な価値が眠っています。以下の「不公平の芽」を摘み取ることが、リーダーに求められる最初の段取りです。
- 担当ガチャ: 担当する顧客やエリアによる「運」の要素を排除する。
- 隠れた貢献: 数字には表れない後輩指導やトラブル対応を可視化する。
- 中長期視点: 短期の数字のために組織資産を削っていないか見極める。
2. 成果主義の本質を突く「評価の見方」
本当の貢献度を測るには、目標の達成度だけでなく、「どう組織に貢献したか」というプロセスを最重視すべきです。これらは「主観」ではなく「多角的な視点」です。
| 評価の切り口 | 役員が重視するポイント |
|---|---|
| 1. 組織貢献度 | 自分の数字以外で、どれだけチームの成功をサポートしたか。 |
| 2. 課題解決プロセス | 困難に直面した際、どのような論理的思考で突破を試みたか。 |
| 3. 再現性の有無 | たまたま出た数字か、それとも次も勝てる「型」があるか。 |
3. 納得感を生む「グレーな評価」とプライドの放棄
30代・40代のリーダーにとって、評価の最大の敵は「自分の基準こそが絶対だ」というプライドです。部下と目標の齟齬が生じるのは必然であり、評価の際に対話を通じて修正する柔軟さが求められます。
【役員の金言】 たとえ個人の目標を120%達成したとしても、チームの和を乱すスタンドプレーがあったなら、私の評価は迷わず「NO」です。短期の数字という慢心のために、組織の未来を削る行為を許してはいけません。逆に、数字が未達でもプロセスが完璧であれば、それを正当に評価し「次は勝てる」と確信させる。これこそが、部下が一生ついていきたいと思うリーダーの器です。
4. 公平な評価のための「行動観察」という段取り
納得感のあるプロセス評価は、評価面談の時だけ頑張っても不可能です。部下が結果に至るまでの泥臭い努力や、他者への配慮を日々どれだけ「ログ」として蓄積できているか。周りの力を借り、多面的なフィードバックを取り入れることは恥ではなく、評価の精度を最大化するための賢明な段取りなのです。
【この記事のまとめ】評価は「部下を勝たせるため」にある
- 数字の慢心を捨てる: 結果の裏にある「努力の質」を多角的に凝視する。
- チーム益を最優先する: エゴによる成果を排し、組織貢献を正当に加点する。
- 日々の観察を怠らない: 行動観察という段取りこそが、不公平感を解消する唯一の手段。
部下を正しく評価し、動かす力は、あなた自身の市場価値を決定づける重要なスキルです。慢心を捨て、本質を突く評価の段取りを整えてください。その先に、強固な信頼関係に支えられた最強のチームが待っています。
🚀 次に読むべき「実践編」
公平な評価基準を整えたら、次は「部下への具体的な接し方」です。特に扱いが難しい「天狗」や「劣等感」の強い部下を、どうやってやる気にさせ、チームの戦力に変えるのか?
役員として数多くの部下を導いてきた経験から導き出した、タイプ別の叱り方と指導の極意を公開します。


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