「断れない」は負け癖の始まり。役員が断言、攻撃的な人を味方に変えるアサーティブ刷新術

2023/12/01

コミュニケーション戦略

t f B! P L
アサーティブな自己表現をマスターして引き受け癖を改善しよう


✍️ この記事の著者情報

自己成長戦略の専門家 桑田かつみの顔写真

【自己成長戦略の専門家】
桑田かつみ

💼 経歴・肩書き:

🔹専務取締役(役員)
🔹1970年生まれ

🚀 実績と提供価値:

🔹平社員から9年で役員に至った実体験に基づいた、再現性の高いリーダーシップ、仕事術、メンタル強化の「自己成長戦略」を共有。
🔹成功論 / リーダー論 / 心のスキルアップ / コミュニケーション術を専門。
🔹Xフォロワー3,000人突破!

「断れない」は負け癖の始まり。役員が断言する、攻撃的な人を味方に変えるアサーティブ刷新術

急ぎの仕事で手一杯なのに、つい曖昧な態度で引き受けてしまう……。その場を丸く収めたつもりでも、自分の本心を押し殺した言動は「心の毒」となり、やがて劣等感や、周囲への攻撃的な態度として噴出してしまいます。

私が見てきた多くのビジネスパーソンの中でも、この「引き受け癖」から抜け出せない人は、実力があっても「人間の幅」が広がらず、リーダーとしての信頼を失う傾向にあります。自分も相手も同様に尊重し、対等に意見を伝える「アサーティブ・コミュニケーション」は、単なる話し方の技術ではなく、役員クラスには必須の「生存戦略」なのです。

【今回のポイント】
  • 「断るのは悪」という不合理な思い込みを打破する
  • 「I(私)メッセージ」でプロとしての意思を明確に伝える
  • 主張と傾聴のバランスを整え、建設的な人間関係を築く

1. 不合理な「思い込み」を捨て、自己表現の壁を壊す

まず、「依頼を断るのは悪」「物分かりが良い人こそが好かれる」という、あなたの行動を縛る「不合理な思い込み」を捨ててください。

特に日本人は遠慮を美徳としがちですが、役員の視点から言えば、「無理なものを曖昧にする態度」こそが最大の不誠実です。中途半端に引き受けて納期を遅らせる、あるいはクオリティを下げる行為は、相手へのリスペクトに欠け、結果としてあなたへの信頼を根底から損なわせます。

役員の視点:無理な引き受けは「慢心」の裏返し

「自分さえ我慢すれば回る」と考えるのは、一見謙虚に見えて、実は自分のキャパシティを過信した「慢心」でもあります。プロフェッショナルとして自分の現状を正確に開示することこそが、誠実なコミュニケーションの第一歩です。「断る=拒絶」ではなく、「現状の報告と最適化の提案」であると捉え直しましょう。

2. 「I(アイ)メッセージ」で意思を明確にする

アサーティブな自己表現の核は、「自分はどう思うか」という意思を明確にすることです。主語を「あなたは(YOU)」ではなく「私は(I)」にするIメッセージを徹底しましょう。

ポイント 説明 役員流の具体的な伝え方
I(私)メッセージ 主語を「私は」にして状況を正確に伝える 私は今、明日までの重要資料に全力を注いでおり、物理的に手が回りません。」
代替案の提示 単に断るのではなく、プロとして妥協案を出す 私はお役に立ちたいので、明日の午前中からなら着手可能ですがいかがでしょうか?」

このように、自分の状況を隠さず伝えつつ、プロフェッショナルとして代替案を提示する。これが、相手に「攻撃的」だと思わせずに、かつ自分も疲弊しない「大人の交渉術」です。

3. 「受け入れ態勢」を整え、建設的な関係を築く

一方的な主張だけを繰り返すと、それはただの「慢心した人」と映ります。円滑なコミュニケーションは、常に双方向のキャッチボールです。

普段から相手の状況に耳を傾ける「受け入れ態勢」があるからこそ、いざという時のあなたの主張に重みが生まれます。

  • 主張しすぎれば「傲慢」になる
  • 引き受けすぎれば「負け癖」がつく

この両極端を避け、お互いのリソースを最適化しようとする歩み寄りこそが、「人間としての幅」を感じさせるのです。建設的な議論ができる環境は、あなたの「聞く力」と「伝える力」のバランスの上に成り立ちます。

スモールステップで「自己刷新」の練習を

「断れない性格」をいきなり変える必要はありません。まずは信頼できる同僚との些細なやり取りから、「Iメッセージ」を試してみてください。小さなNOを積み重ね、成功体験を得ることで、あなたの「引き受け癖」という負け癖は消え、周囲から一目置かれる存在へとアップデートされていきます。


【この記事のまとめ】アサーティブ刷新の3ステップ

  1. 思い込みの打破:「断る=悪」を捨て、現状を正確に伝える誠実さを持つ。
  2. Iメッセージの活用:主語を自分にし、代替案を添えてプロの交渉を行う。
  3. 歩み寄りの姿勢:傾聴と主張のバランスを保ち、人間の幅を広げる。

アサーティブな習慣を身につけることは、ストレスを減らすだけでなく、周囲からの揺るぎない信頼を勝ち取ることと同義です。今日から一つずつ、自分の意思を言葉に乗せてみませんか。

特に30代のリーダー候補にとって、この「断れない自分」を今のうちに脱却できるかどうかで、40代以降のキャリアの高さが決定します。もし、自分の強みを再定義し、戦略的なキャリアを築きたいなら、一度プロのトレーニングを受けてみるのも賢明な投資です。

【役員検証】ポジウィルキャリアで30代の人生は変わる?悪評と料金の費用対効果

💡【深掘り編】「いい人」を卒業し、真の信頼を掴む

アサーティブな技術を身につけても、心のどこかに「いい人でいたい」という強い思い込み(バイアス)があると、無意識のうちに自己犠牲的な選択へ戻ってしまいます。

役員として多くのリーダーを見てきた私が断言するのは、「いい人」であることと「信頼される人」であることは全く別物だということです。本当の意味で周囲から一目置かれ、人望を集めるリーダーは、どこかで「いい人」を卒業する戦略的な決断をしています。

なぜ「いい人」ほど損をしてしまうのか。その心理的メカニズムを解明し、自己犠牲を断ち切って圧倒的なパフォーマンスを発揮するための具体的な行動原則を、以下の記事で詳しく解説しています。

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