✍️ この記事の著者情報

【自己成長戦略の専門家】
桑田かつみ
💼 経歴・肩書き:
🔹専務取締役(役員)
🔹1970年生まれ
🚀 実績と提供価値:
🔹平社員から9年で役員に至った実体験に基づいた、再現性の高いリーダーシップ、仕事術、メンタル強化の「自己成長戦略」を共有。
🔹成功論 / リーダー論 / 心のスキルアップ / コミュニケーション術を専門。
🔹Xフォロワー3,000人突破!
「自燈明」の教えに学ぶ!部下を「自立した最強のチーム」へと育てる上司の極意
部下育成の本質は、単にスキルを教えることではありません。彼らが自ら考え、行動する「自立・自律型人材」へと成長させることです。そのための鍵は、上司が持つべき「適度に突き放す勇気」と、深い愛情に基づいた育成手法にあります。
1. 部下育成の真髄は「突き放し」と「目的の共有」
部下を育てる上で、まず重要なのは相手の理解です。無関心と過保護のどちらにも偏らず、そのバランスは、「適度に突き放すこと」です。
1-1. 禅の教え「自燈明」に学ぶ自律性の根幹
禅の法話にある「自燈明(じとうみょう)」は、「誰かに灯してもらう明かりを頼りにするのではなく、自らが明かりとなり、己の指針を持て」という意味です。これは、「自分の人生は自分で決めるしかない」という、上司から部下への深い愛情と突き放しを意味します。
部下には、「会社にとって都合の良い奴隷」ではなく、「自由な身になること」を目指すよう伝えましょう。奴隷的な作業を避けるため、上司は大きな方向性と目的を明確に伝え、部下に理解させることが不可欠です。
2. 信頼して任せる勇気と「見極め」の重要性
仕事を任せる際には、部下を信用し、「任せる勇気」を持つことが上司の力量です。その上で、部下の言動はしっかりと見守りましょう。環境を整え、部下の能力より「少し高いハードル」を課し、成長のチャンスを与えることが大切です。
2-1. ハードルを越える「限界」の見極め方
力不足でうまくいかない場合、上司が見極めるべきは以下の状況です。
- 今まさに高いハードルを乗り越えようとしている時なのか
- 自分の力量に限界を感じている時なのか
限界だと判断した場合は、働き場所を変えるなど一旦距離を置き、時間を置いてから再びチャンスを作りましょう。部下本人が「私がやる」と思わなければ、育成は絶対に成功しません。
3. 部下の「我(個性)」を引き出し、強いチームを作る
人を動かすためには、部下一人ひとりの状況や特性を把握し、伝え方を変えて提示することが重要です。特に、部下がどのような「我(個性)」を持っているかを見極め、その特長を引き出してあげることが、成長の鍵となります。
- 取り払うべき「我」: 妙なこだわりやプライドが成長の壁なら、それを取り払う手助けをします。
- 伸ばすべき「我」: 部下の持つ「我」が武器になると判断したら、どんどん伸ばしてあげましょう。
指示を出す際は、「いつまでに●●したいのでお願い」といった、具体的な数字などを交えた明確な指示を心がけましょう。また、時には伝える相手との距離が近い人に代わって話してもらうなど、柔軟な伝え方も効果的です。
4. 「厳しい、かつ温かい組織」で試行錯誤を促す
部下を褒めるだけでなく、時には言うべきことをしっかりと伝え、「厳しさゆえの優しさ」、つまり愛情を注ぐことが大切です。褒める育成法と、高い志を持って厳しく鍛える両方を兼ね備えた「厳しい、かつ温かい組織」を作りましょう。
目的と価値観が共有できれば、部下はそれに沿って創意工夫を加えるようになります。自分の頭で考えて、試行錯誤しながら取り組ませることで、やりがいを与えることができます。
部下が工夫する楽しみを覚えると、仕事が楽しくなり、上司からのフィードバックを前向きに受け入れ、自ずと実力がついていきます。
5. 上司の背中と「ゴールのない仕事」が信頼を築く
「苦労は全部自分でするからこそ実になる」という経験は、次の時代を担う人材育成に不可欠です。良い関係性の基本は、部下が上司を好きになってくれることです。
そのため、自分の頭で考えて改善を加えていくような「ゴールのない仕事」を与えることが必要です。これにより部下の仕事観が変わり、部下が成長することで上司側も成長することができます。
上司は、現場に出て現状を把握し、自ら動いて仕事の方向性を明確に示すことが重要です。仕事を完全に把握した上で部下を信じて任せるのが、上司本来の役割だからです。
5-1. 危機における上司の行動と信頼関係
どんなトラブルが起きても、「最後は上司が現場に来て一緒に問題に立ち向かってくれる」と思えるような厚い信頼関係が築ければ、部下は上司のために頑張ろうと行動します。仕事を教える時は、必要であれば自らやってみせる(背中を見せる)ことで、部下の学びにつながり、上司の力量を認め、聞く耳を持ってくれるようになるのです。
部下と熱く心を通い合わせ、信頼を寄せられる上司を目指し、最強のチームを作り上げましょう。
チーム力を極限まで高める次のステップへ!🚀
本記事では、自立・自律型人材を育て、厳しさと温かさを兼ね備えた最強チームを作る極意を解説しました。
しかし、部下が失敗を恐れずに挑戦する「攻めの姿勢」を根付かせるには、
誰もが安心して発言・行動できる「心理的安全性」という土壌が不可欠です。
「適度に突き放す勇気」を発揮し、育成を成功させるためにも、組織の「守りの基盤」を固めておきましょう。
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部下の才能を最大化する上司の極意!仕事と「個性・プライベート」をマッチングさせる育成術
1. 部下の才能を最大限に引き出す「適材適所」の重要性
部下を育てる上で最も大切なことは、部下の個性や才能に合わせた仕事を与えることです。
これは単なる優しさではなく、成果を最大化するための戦略です。個性や才能に合った仕事を与えられると、本人のモチベーションが向上し、主体的な努力を促すため、結果も出やすくなります。
逆に、コミュニケーションが得意なメンバーに内勤の仕事を与え、限られた人としか関われない状況を作ってしまうのは、会社にとっても本人にとっても不幸な結果を招きかねません。
2. 「仕事ぶり」と「プライベート」を知ることが適材適所の鍵
部下の個性や才能に合った仕事を与えるためには、上司が部下のことを深く理解することが不可欠です。
2-1. 把握すべき「仕事面」の情報
まず、仕事面に関する以下の情報を把握しましょう。
- これまでの上司、仕事内容、評価
- 何が長所で、何が短所なのか
そして、もう一つ、近年軽視されがちな「プライベート面」の情報も把握しておくことが、真の適材適所には不可欠です。
- 家族構成、出身地、居住地、学歴、趣味など
3. なぜ上司は部下のプライベートを知るべきなのか
最近は、上司が部下のプライベートに立ち入るべきではないという考え方もあります。しかし、仕事ぶりだけでなくプライベート面を知らなければ、部下の才能を真に引き出すことは不可能です。
3-1. 才能を引き出すマッチング
例えば、家族構成やライフスタイルを知ることで、転勤や単身赴任が必要なプロジェクトへのアサインなど、その部下にとって最善の成長機会を逃さずに提供できるようになります。
3-2. スランプ時の的確なアドバイス
さらに重要な点として、部下が悩みやスランプに陥った際、その原因が仕事ではなくプライベート面にあることは珍しくありません。
プライベートな状況を把握しておけば、仕事のテクニックではなく、根本的な問題に対する的確なアドバイスが可能になります。
4. プライベート情報を把握するためのコミュニケーション術
部下のプライベート状況を把握するためには、日頃からの円滑なコミュニケーションと信頼関係が欠かせません。
無理に聞き出そうとするのではなく、雑談を通してそれとなく聞く姿勢が大切です。
最も効果的なのは、「困った時はいつでも声掛けして」と一言伝えておくことです。この一言により、上司への相談のハードルが下がり、部下が自らSOSを出せる心理的安全性の高い環境を作ることができます。
成果を最大化する「デキる上司」の指導術へ!💡
本記事では、部下の個性やプライベートを深く理解し、「適材適所」を実現することが、才能とモチベーションを最大化する鍵だと解説しました。
しかし、部下を成長させる真のマネジメントとは、
個人の特性を理解した上で、「タイプ」に合わせたコミュニケーションと指導を使い分けることです。
あなたの部下は、論理派ですか?それとも感覚派ですか?
「デキる上司」になるためには、一人ひとりの行動パターンや価値観を把握し、相手に「刺さる」指導法を実践する必要があります。
部下のタイプを見極め、信頼関係を築きながら、確実に成果を引き出すための具体的なマネジメントの極意について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
部下のやる気を最大化!「承認欲求」を満たし、心に刺さる「言葉の力」でチームを導くリーダーシップ
1. 部下のやる気を引き出すのは「承認欲求」の満たし方
部下のやる気を引き出し、パフォーマンスを向上させるために不可欠なのは、彼らが持つ「承認欲求」を満たすことです。「自分の存在を認められたい」「自分の気持ちを理解してほしい」という根源的な欲求を適切に満たしましょう。
リーダーとして、社員一人ひとりの存在を認め、個を尊重する接し方を行うことで、信頼関係が高まります。
- 「あなただから期待している」
- 「あなたはこの会社に必要だ」
こうした具体的なメッセージは、チーム力を高め、不況をも乗り切る力になります。社員自身にも、この会社で自分が輝くためにはどうすべきかを気づかせ、考えさせることが重要です。
2. リーダーの最重要任務:心に響く「言葉の力」を開発する
社員の士気や結束力は、リーダーが発する心に残る言葉によって飛躍的に高まります。ありきたりな言葉は人の心には残りません。リーダーや経営者にとって、明快でキャッチーな言葉を作り出すことは、最も重要な仕事の一つです。
心に残る言葉を作り出すのは簡単ではありませんが、必死に考え抜いた言葉には、人を引きつける力が宿ります。
なぜなら、心に刺さる言葉は、何かの折にふと社員の頭をよぎり、それが判断や行動の基準となるからです。素晴らしい言葉を開発してチームで共有できれば、全員が単に長時間働くよりも、はるかに高いパフォーマンスを引き出すことが可能です。
2-1. 言葉を磨く方法:インプットの質を高める
「言葉を作るのが苦手だ」と感じる方は、ネット上の浅い言葉を拾うだけでは言葉の力は身につきません。読書量を増やし、インプットの質を高める必要があります。
3. 「心理的安全性」がチームの競争力を高める
リーダーと社員同士がフラットな関係で、密なコミュニケーションがとれる環境を整えることも、やる気を引き出す上で非常に重要です。
このような環境は、心理面で双方の距離を縮め、チームの安定を保つことを可能にします。
3-1. 新しいアイデアを生む土壌
心理的安全性の高い環境下では、チームのメンバーは不安を感じることなく自由に発言できます。その結果、新しいメンバーが、先輩社員の思いつかないような優れたアイデアを出してくる状況も作ることができます。
肩書きや年齢に関係なく、思ったことを言えるオープンな組織運営こそが、会社の競争力を高めていくことにつながります。
成果を出すためにも、メンバーの気持ちを一つにまとめ、各自が自立した力を発揮できるような環境をリーダーシップをもって作っていきましょう。
成果を出し続ける「デキる」リーダーへ進化!✨
本記事では、部下の承認欲求を満たし、心に響く「言葉の力」と心理的安全性を通じて、チームのやる気を最大化する極意を解説しました。
しかし、モチベーションを具体的な「結果」につなげるには、
意思決定の精度を高め、日々の習慣を最適化することが不可欠です。
「デキる」リーダーは、特別な才能ではなく、習慣と条件を満たして強固な信頼を築いています。
モチベーションの最大化を土台として、成果を出し続ける「デキるリーダー」に共通する習慣・意思決定・信頼の築き方について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
社員のやる気を継続させる最大の源泉は「感謝」!お金やタイトルを超えたモチベーションの真実
1. やる気の源泉を構成する3つの要素
人が仕事や活動に対して抱く「やる気」の源泉には、大きく分けて3つの要素があります。しかし、その中で最も強力かつ持続的な源は、人からの感謝です。
1-1. 一時的な源:お金(報酬)とタイトル(地位)
やる気の源の1つ目は、お金(報酬)です。お金は、生活の安定や安心感を与えてくれますが、純粋な「やる気」の持続的な源になることはありません。インセンティブとして機能するのは一時的であり、慣れてしまうと効果は薄れていきます。
2つ目の源は、タイトルや地位です。昇進や高い役職は、社会的な評価の証として一時的な喜びを与えてくれますが、これもお金と同様に、時間が経つと特別感が薄れ、永続的なやる気にはつながりにくいものです。
お金やタイトルは、あくまで表面的なモチベーションに過ぎないのです。
2. やる気の最大の源泉は「人からの感謝」である
仕事や活動において、人が最も喜びを感じ、最大のやる気の源となるのは、「ありがとう」という人からの感謝の言葉です。
例えば、どんなに腕の良い料理人でも、「美味しい、ありがとう」という言葉がなければ、料理を作る気力を失ってしまうでしょう。これは、人間が根本的に持つ「他者に貢献したい」「誰かを幸せにしたい」という本能的な欲求に基づいています。
つまり、誰でも、人を幸せにできることに喜びを感じることが、最大のやる気の源となるのです。
3. リーダーが実践すべき「感謝」を通じたモチベーション向上
この真実を理解することは、組織のリーダーにとって非常に重要です。
部下のやる気を引き出し、高いパフォーマンスを継続させるためには、単に報酬や肩書きを与えるだけでなく、「あなたのおかげで助かった」「あなたの仕事は価値がある」という具体的な感謝のフィードバックを日常的に行うことが不可欠です。
私たち一人ひとりが、人を幸せにする「他愛(おもいやり)」を大切にし、それを言葉や行動で示すことで、自身の人間的な器を広げ、組織全体のモチベーションと幸福度を高めていきましょう。
人生を豊かにする土台:最強の「信頼」を手に入れる💡
本記事では、「ありがとう」という人からの感謝こそが、お金やタイトルを超える最大のやる気の源泉だと解説しました。
この「感謝」を生み、人生のあらゆる成功と幸福を支えるのは、
仕事、お金、そして人間関係の土台となる揺るぎない「信頼」の力です。
信頼を築くことは、ビジネスを成功させ、豊かさを引き寄せるための普遍的なスキルです。
組織のやる気だけでなく、あなたの人生そのものを豊かにする「信頼」の力を最大限に高めるための具体的な全ガイドについて、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
部下を萎縮させる「詰問」はNG!成長を促す信頼関係構築のための【魔法の声かけ】2原則
1. なぜ部下は上司に萎縮するのか?【詰問の危険性】
上司は部下を評価する権限を持つため、両者の関係性が対等ではないことから、部下が上司に気を遣ったり、萎縮したりするのは当然の行動です。
この構造を上司が理解しないまま投げかける声かけは、時に部下を追い詰めてしまいます。
1-1. 失敗例:部下を思考停止させる「詰問サイクル」
部下が商談の破談を報告した際、上司が「きちんと準備したのか?」「遅刻したんじゃないか?」「なんで破談した?」などと次々に問い詰めるうちに、声かけが詰問に変わってしまうケースがあります。
詰問は部下を引かせてしまうだけです。詰問され続けた部下は、自ら考えることを放棄して何でも上司に聞くようになるか、上司とは何も話さなくなってしまうなど、部下が育つ環境を自ら放棄する状況にしてしまいます。
1-2. 改善例:未来志向のプラス思考の声かけ
声かけを**「どうやったら破談しなかったと思う?」**に変えましょう。このように未来志向・プラス思考の声かけを行うことで、部下が前向きに失敗を振り返り、自律的な思考を促すことができます。
2. 成長を促す土台:日頃の雑談で信頼関係を築く
部下の成長を促すには、テクニックを磨くよりも、まず相手に興味を持って観察するところから始めましょう。
2-1. 観察と雑談の積み重ね
部下の小さな変化(早めの出社、散髪、新しい服装など)に気づき、「最近、出社時間早いね」「髪、切ったね」といった一言でコミュニケーションを始めます。
こうした日頃の雑談の積み重ねが、部下との距離感を縮め、「この人なら何を話しても大丈夫そうだ」と思ってもらえる親近感と信頼関係を構築します。
2-2. プライベートを知る重要性
普段から雑談ができている関係性があれば、「実は親の介護が始まったんです」といった生活環境の変化も話してくれるようになります。上司として「今の仕事量で大丈夫?」といった適切な気遣いが可能になり、それが部下からの信頼向上にも結びついていきます。
在宅勤務が増える現代では、意識的に雑談の機会を作り、信頼関係をいかに築いていくかが、上司の役割としてより重要になっています。
3. 部下の成長を加速させる【魔法の声かけ】2原則
部下の成長を促すベストな声かけは、非常にシンプルで、下記の2つのポイントを徹底するだけです。
原則1:部下自身に状況を「内省」させる
報告を受けた際の声かけの目的は、部下の経験学習サイクルを促進することにあります。
- 報告:「先日、失敗してしまいました…」
- 上司:「どんな状況だったのか詳しく教えてもらえるかな?」
この一言で、部下は経験を振り返り、自分なりの教訓を引き出して学びに変えるサイクルを回し始めることができます。
原則2:興味本位の「余計な声かけ」はしない
上司が自分の興味で話を広げてしまうと、それは上司のための時間になってしまいます。部下が話し終えた時に、「自分のための時間だった」と思ってもらう必要があります。
- 効果的な相づち:「へぇ~それでどうだったの?」と相づちを打つ。
- オウム返し:報告内容をそのまま「〇〇だったんだ~」と返す。
これにより、部下は自然と当時の状況を振り返り、内省を深めさせることができます。
4. 内省を深めるための「他には?」と「考えさせる質問」
内省をさらに深める声かけとして、「他には?」という言葉は非常に有効です。
例えば、部下から「次はきちんと事前準備するようにしたいと思います」と報告があった場合、上司は「そうだね。準備することは大切だね。準備で他に気を付けることあるかな?」と返します。
この質問で部下は「そもそも準備って具体的に何をしたらよいのだろう?」と内省を深める時間を持つことができます。また、「他には?」と聞くことは、部下が話す内容を限定せず、何でも自由に話せる状況を作ることにもつながります。
プロジェクトを指揮する場合でも、全てを決めてから指示を出すのはNGです。
- 「この案件は誰と組むと上手くいくだろうか?」
- 「この案件をスタートするのはいつぐらいが良いと思う?」
部下が自分で考えて答えを出したら、上司は「それなら、それでいこう!」と判断を承認しましょう。部下が考えた答えで動くため、喜んで仕事に取り組んでくれます。
答えが分かっていても、一方的な指示を与えることは避け、部下の頭で考えさせ、判断の経験を積ませることが、育成には不可欠です。
声かけを目的化するのではなく、信頼関係を構築するために声かけを使う。この原則を肝に銘じ、部下育成に活かしていきましょう。
詰問から卒業!愛ある「叱り方」で部下を伸ばす極意へ💡
本記事では、「詰問サイクル」を避け、未来志向の声かけと内省の促進によって、部下の自律的な成長を促す方法を解説しました。
しかし、成長の土台を壊さずに「言うべきこと」を伝え、
部下の誤った行動を正すには、「愛ある叱り方」の技術が必要です。
「愛ある叱り方」とは、部下の個性(タイプ)を見極め、5W1Hを使って建設的に指導する技術です。
信頼関係を損なうことなく、部下を大きく成長させる「愛ある叱り方」と、タイプ別・具体的な指導術について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
人を動かす「褒めサンド」話法!部下を自発的に動かす3ステップと信頼構築術
1. 人を動かす【ポジティブ・サンドイッチ】3ステップ話法
自分の言いたいことを一方的に伝えるだけでは、人は動きません。部下を自発的に動かしたい時や、言いにくい注意・依頼をする時に有効なのが、本題をポジティブな言葉で挟み込む「ポジティブ・サンドイッチ話法」です。
これは、心理的に相手に防衛の壁を作らせず、素直に耳を傾けてもらうための効果的な手法です。
2. STEP1: 相手の「個性」に合わせて強みを褒める
本題に入る前に、まずは相手の強みや長所を褒めましょう。「あなたのことをしっかり見ていますよ」というメッセージを伝えることで、相手の聞く準備が整います。
褒め方は、部下のタイプに合わせて変えることが重要です。
| タイプ | 褒めるポイント(例) | 褒める内容 |
|---|---|---|
| 成果重視タイプ | 仕事の成果や結果を褒める | 「仕事が速いね」「先日のプレゼン、評判いいね」 |
| 人付き合い重視タイプ | コミュニケーション能力の高さを褒める | 「チームワークが良いね」「よく気がつくね」 |
| 創造性重視タイプ | 相手のアイデアや発想力を褒める | 「そのアイデア、どこで思いついたの?」「ひらめきの秘訣は?」 |
| 分析重視タイプ | 正確さやきめ細かさを褒める | 「仕事が緻密で丁寧だね」「データを上手く活用しているね」 |
3. STEP2: 事実ベースで本題を切り出す
相手を褒めて雰囲気が良くなったら、「ところで~」と本題を切り出します。
注意や問題点の指摘をする際は、以下の点を徹底しましょう。
- 事実ベースで話すこと
- 決して相手の人間性まで否定しないこと
4. STEP3: 今後への期待の言葉で締めくくる
相手の行動を促すために、締めは必ず前向きな言葉で終えます。今後への期待を示すことで、相手は気持ちよく行動に移ることができます。
- 「〇〇さんには期待しているよ」
- 「〇〇さんがやってくれるとチームが助かるよ」
4-1. 応用例:進行が遅い部下への伝え方
目的が「自発的な改善を促すこと」である場合、サンドイッチ話法は特に有効です。
- (褒める)「いつもチームのために細やかな気遣いありがとう。」
- (本題)「ところで最近、何かあった?今進めている企画の進行が遅いようだから心配しているよ。」
- (期待)「何しろ〇〇さんは、これからうちのチームを引っ張っていってもらわなければいけない人材だからね。」
相手は反発心を抱くことなく素直に注意点を受け入れ、自ら改善に向けて動いてくれる可能性が高まります。
5. 話法テクニックの土台は「日頃の信頼の貯蓄」
上記のような話法を使っても、聞き入れてもらえない場合があります。それは、普段からどれだけ相手のことを考えて行動しているかによって結果に差が出るからです。
人間は、「自分の都合でお願いばかりしてくる人」よりも、「いつもさりげなく励ましてくれる人」の依頼に応えます。つまり、日頃の行いが肝心であり、相手を動かすには、良好な人間関係が築けているかが最も大切なポイントです。
5-1. 良好な人間関係を構築する2つの方法
- 接触回数を増やす: 1週間に1時間話し合うよりも、毎日1分の会話をする方が大切です。
- 「あなたを見ています」を伝える: 相手の興味のあることや変化に気づいたことなどを、しっかりと目を見ながら話しましょう。「私のことを認めてくれる人のためなら…」と、部下は自発的に動いてくれます。
日々の人間関係の構築は地味ですが、**信頼の貯蓄**を増やす上で、極めて重要なのです。
6. 不信感が強まった職場の人間関係再構築3ステップ
不信感が強まっている職場では、話法テクニックだけでは相手が動いてくれないことがあります。リーダーに任されている場合、下記の手法でゼロから部下との人間関係を再構築していく必要があります。
STEP1:誠意を持って謝罪し、意思を伝える
今までの反省点を踏まえ、自分ができていなかったことを素直にお詫びします。その際、「自分はこう変わりたい(こうしたい)」と、リーダーとしての意思を困っている状況と共に伝えることが大切です。
STEP2:相手の意見を聞き、厳粛に受け止める
相手の率直な意見は、すべて真摯に受け止めましょう。たとえ事実と異なる点があっても、その場で反論(「そうは言うけど~」)するのは控えましょう。
STEP3:3か月後、自分の言動の変化を尋ねる
3か月後、自分なりに改善した点が実行できているかを、意見を求めた相手に確認します。できていないところがあれば、さらにアドバイスを聞き、再度改善と確認のサイクルを回しましょう。
言行一致が最も大切です。最初に誠意を持って謝罪し、部下の意見を受け止め、自らの言動を変えることで、状況を改善させることが可能です。
信頼を一瞬で崩壊させる!無意識の「上から目線」を徹底チェック🚨
本記事では、「ポジティブ・サンドイッチ話法」や「信頼の貯蓄」によって、部下を自発的に動かし、強固な人間関係を築く技術を解説しました。
しかし、どんなに褒め方に気をつけても、無意識の「たった一言」が
これまでの信頼関係を水泡に帰すことがあります。
それは、聞く相手のプライドを傷つけ、不信感を生む「上から目線」のフレーズです。
あなたは、部下や同僚から信頼を失う「上から目線フレーズ」を無意識に使っていませんか?
職場の人間関係を崩壊させる17の危険なフレーズを知り、話し方のクセを改善するための具体的なコツは、こちらの記事で解説しています。
【部下育成の極意】メンバーを自発的に動かす!モチベーションが上がる「仕事の頼み方」4つの鉄則
1. チームの成果は「指示」ではなく「質問」で決まる
リーダーがチームを率いて仕事を進める際、段取りの成否は、メンバーがどれだけ自発的に動いてくれるかにかかっています。
一方的な指示だけではモチベーションは上がらず、手戻りが生じ、段取りが狂いやすくなります。
相手を動かすためには、指示ではなく質問をベースにして、判断を本人に委ねるのがポイントです。自分の意志で判断させることで、仕事が「やらされ仕事」ではなく「自分事」になり、積極的に仕事に向き合うようになります。
心の負担になりそうな頭を使う仕事を頼む場合は、先送りされるのを防ぐような頼み方を心がけるのも、リーダーの大切な役割です。
2. 頼み仕事の鉄則1:誰に振るかは「仕事の重要度」で決める
仕事の振り分けは、メンバーの空き状況だけでなく、仕事の重要度を基準に判断しましょう。
2-1. 重要度が高い仕事の場合
- 依頼対象: 手が空いてなくても、仕事のレベルが高い人に頼む。
- ポイント:「あなた以外に頼めない」という特別感を伝え、スケジュールの融通をつけてもらう。
- 頼み方例: 「この仕事は本当に重要で、〇〇の経験を持つあなたにしかお願いできません。忙しいのは承知してますが、何とか調整して引き受けていただけませんか?」
2-2. 重要度が低い仕事の場合
- 依頼対象:手が空いている人に頼む。
- ポイント: 雑用ばかりで意気消沈させないよう、緊急ではない大切な仕事とセットで頼むなど、工夫も有効。
- 頼み方例: 「この仕事はあなたにとても向いていると思うので、是非やってもらいたい」
3. 頼み仕事の鉄則2:指示ではなく「質問」で相手を動かす
相手の状況に配慮しようとする姿勢を見せることで、相手のモチベーションを引き出すことができます。
| シーン | NGな指示 | OKな質問 |
|---|---|---|
| 新規依頼時 | ❌ 「この仕事やって。〇日までです」 | ⭕️ 「この仕事できる? やってみたい? 〇日までにできる? 今ほかにどんな仕事抱えてる?」 |
| 遅れ催促時 | ❌ 「まだできないの?早くやってください」 | ⭕️ 「確認させて。あの仕事、もう手をつけた?どれぐらいできてる?もし他の仕事で忙しいなら言って。他の人に頼むから」 |
ポイント: 遅れに対する催促でも、間に合わせるか否かの判断を本人に委ねます。本人が「やります」というなら、今抱えている仕事を全て教えてもらい、優先順位を具体的に示すことがリーダーの役割です。
4. 頼み仕事の鉄則3:タスクを細分化し、すぐ着手させる
頭を使う仕事や相手の苦手分野の仕事を頼む際は、先送りを防ぐ工夫が必要です。
- NG例: ❌ 「〇〇の企画を練ってください」
- OK例: ⭕️ 「〇〇の企画を練ってください。まずはターゲットのイメージを固めて、明日までに提案してください」
ポイント: 「まずはこれだけ」「最初のタスクは緊急」とすることで、心理的なハードルを下げ、とにかく手を着けさせることが重要です。
5. 頼み仕事の鉄則4:「手戻り時間」を織り込んで段取りを組む
人に頼んだ仕事が、リーダーの期待した通りのレベルで仕上がってくることの方が稀です。直し、手戻りを織り込んでスケジュールを組むことが、段取り成功の鍵です。
- リーダーの心得: 直すのも含めて自分の仕事であることを心得ましょう。
- ポイント: クオリティが低い場合に備えて、最初から自分が手直しする時間を織り込んで全体の段取りを考えましょう。
VUCA時代を勝ち抜く!リーダーシップの「決定版」へ進化せよ🚀
本記事では、部下を「自分事」として動かす「質問ベースの頼み方」や、重要度に基づいた戦略的な仕事の振り方を解説しました。
しかし、予測不能なVUCA時代を勝ち抜き、組織全体を牽引するには、
能力、人格、そして意思決定といった全方位の力が不可欠です。
「デキるリーダー」は、「頼み方」だけでなく、これらの高い条件を全て満たしています。
部下育成の技術を土台として、VUCA時代の激しい変化に対応し、チームを勝利に導くリーダーになるための、能力・人格・コミュニケーションを網羅したリーダーシップの決定版について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
【部下育成の落とし穴】「頑張れ」は逆効果!落ち込んだメンバーを救う「傾聴」と「リフレーミング」の極意
1. 落ち込んだメンバーへの「善意の励まし」が逆効果になる理由
チームで成果を上げていくために、リーダーは落ち込んでいるメンバーを正しく元気付ける必要があります。しかし、多くの人が良かれと思って使う言葉が、かえって相手を傷つけ、逆効果を招くことが少なくありません。
特に、深く落ち込んでいる相手への「頑張れ」という言葉は、「もう十分頑張っているのに」というプレッシャーになり、好意のつもりが裏目に出ます。
また、「私の経験だと〇〇すれば大丈夫」などと、相談者の話を途中で遮って持論や安易なアドバイスをするのも不適切です。
1-1. 部下が本当に求めていること
落ち込んでいる人が本当に求めているのは、「安易なアドバイス」ではなく、「自分の悩みや気持ちを最後まで分かってもらいたい」という共感と傾聴です。一見気の利いた善意の励まし行為は、言えば言うほど空回りし、逆効果になってしまうことが多いのです。
2. 要注意! 落ち込んだ相手に使ってはいけないNGフレーズ
以下の励ましNGフレーズは、相手の気持ちを否定したり、追い詰めたりする危険性があるため、避けるようにしましょう。
| NGフレーズ | 相手が感じる心理 |
|---|---|
| 頑張って | 「これ以上どう頑張れというのか」 |
| 気持ちは分かるよ | 「私の辛さが分かるわけがない」 |
| なぜこうなったの? | 「思い出したくもないことを聞かないで」 |
| そんなに落ち込まないで | 「ひどい状態だと決めつけられている」 |
| 仕事なんだから割り切って | 「割り切れないから悩んでいるのに」 |
| まだましだよ | 「他の人と比べられても辛い」 |
3. 正しいリーダーの姿勢: 寄り添い、見守り、聴くことに徹する
励ます側の正しい姿勢として必要なことは、励ます言葉をかけることではありません。励ましたいという気持ちは抑えつつ、相手と適度な距離を保ちながら、以下の意識を持つことが大切です。
- 寄り添う
- 見守る
まずは、相手の話をしっかり聴き、抱えている悩みを共有し、心の扉を開けていくことです。その上で、相手が自分で答えを見つけられるよう、悩みを整理したり、気持ちを切り替えられるように手助けします。
近くで見守り、何かあったら無条件で応援してあげる存在になりましょう。
4. 相手の心を開かせる「アクティブリスニング」5つのコツ
「アクティブリスニング(傾聴)」とは、見守る気持ちで接し、相手が話し始めたら徹底的に聴くことに徹する方法です。助言をしたくなってもぐっと我慢し、相手の話に関心を持って最後まで聴き続けることが、心を開かせる鍵です。
| コツ | 実践ポイント |
|---|---|
| ①話をさえぎらない | 相手のペースに合わせて最後まで耳を傾ける。助言は、話を全て聴き終えた後で初めて行う。 |
| ②共感は○、同調は× | 「そうなんですね」と共感の姿勢で聴く。ただし、同調しすぎると感情を増幅させトラブルになるため注意。 |
| ③感情を受け止めながら聴く | 相手の感情をあるがままに受け止めながら、心を安定させるよう聴く。 |
| ④興味本位で質問をしない | 「何がいけなかったの?」などと原因を問いただしてはいけない。相手のペースで話したいことを話させることに徹する。 |
| ⑤自分の中で制限時間を決める | 愚痴や相談を聞き続けると、自分も苦しくなる。30分、1時間など時間を決め、自分自身を守りながら対応する。 |
相談者は話を全て聴き終えた時点でスッキリし、話しているうちに自分で解決策の糸口を見つけられるようになります。
5. マイナス思考をプラスに変える「リフレーミング」と「ストレングス」
相手が自分で気持ちを切り替えられるようサポートする具体的な手法として、「リフレーミング」と「ストレングス」があります。
5-1. リフレーミング(視点の転換)
自分の考えを肯定的な視点に変える手法です。
- 例:*「積極的になれないんです…」 → 「場当たり的な行動を取らない、慎重で堅実なタイプなんですね」
5-2. ストレングス(強みの気づき)
相手の弱みと考えていたものを、その人の持つ強みに気づかせる手法です。
- 例:「友人がいなくていつも一人なんです…」 → 「自由に使える一人の時間がたくさんあるんですね。集中力がある証拠ですよ」
このように、ひたすら聴くことを通じて、相手が自分で悩みを整理し、気持ちを前向きに変えられるようにサポートしていくことが、真に効果的な励まし方なのです。
成果を劇的に変える!「傾聴」「質問」「承認」の魔法の力💎
本記事では、落ち込んだ部下への「頑張れ」が逆効果であることを解説し、傾聴(アクティブリスニング)とリフレーミングを通じて、部下の心を開く極意を学びました。
この深い共感と信頼を築くスキルこそ、仕事の成果を最大化するためのコミュニケーションの土台です。
部下の潜在能力を引き出し、具体的な行動を促すには、「質問」と「承認」の質をさらに高める必要があります。
チームのパフォーマンスを飛躍的に向上させ、すべてのビジネスシーンで通用する「デキる人」になるための、傾聴、質問、承認という三位一体のコミュニケーションスキルを体系的に磨く方法を、こちらの記事で解説しています。
【脱・イエスマン育成】部下の能力を最大化する「双方向コミュニケーション」9つの戦略テーマと3つの傾聴スキル
1. 成長と成果を生む「双方向コミュニケーション」の重要性
現代の職場では、リーダーから部下への一方的な指示ではなく、部下の成長とモチベーションを引き出し、能力を最大化させるための双方向のコミュニケーションが不可欠です。
物理的な時間が短くなっている今、業務効率化だけでなく、部下が「何のためにこの仕事をするのか」という目的理解、そして、個人の存在にフォーカスした人間的な対話の時間が必須となっています。
2. 主従型から成長促進型へのコミュニケーション転換
リーダーが答えを提示する「教える」「指示する」「問題解決する」といった主従型のコミュニケーションだけでは、部下は単なるイエスマンにしか育ちません。
部下の自主性による自律的な成長を促すには、リーダー側が「教えてもらう」「考えてもらう」という、部下に話してもらうコミュニケーション姿勢が必要です。
部下は話すうちに考えが明確化し、内省を深めます。リーダーは、そのフォローをする役割に徹することが、部下を成長させるために重要です。
3. 思いつきを排除!戦略的な対話を生む「9つの戦略テーマ」
部下との対話を網羅し、戦略的なコミュニケーション力を身につけるために、下記の9つの内容に基づいてフォローしましょう。
| レベル | テーマ | 具体的な話す内容 |
|---|---|---|
| 組織レベル | ①組織の理念や文化 | 組織の制度、歴史、文化について部下に語ってもらう |
| ②現在の人間関係 | 組織のリーダーやメンバーとの人間関係について話してもらう | |
| ③今後の組織方針 | 組織方針や全体の進捗に対する部下の考え | |
| 個人レベル | ①過去の経験 | 過去に部下が培ってきたこと、成功・失敗体験 |
| ②現在のライフスタイル | 現在の部下の仕事と生活のバランス、価値観 | |
| ③将来のキャリア | 将来の部下のキャリア、目標、見据えているゴール | |
| 業務レベル | ①過去業務の振り返り | 過去に実施した業務の教訓、学び |
| ②現在の業務不安 | 抱えている業務不安の解消や解決策 | |
| ③将来の効率化 | 業務の効率化や改善に向けたアイデア |
4. 部下に話してもらうための「3つの傾聴スキル」
部下の考えを整理するために話を聞くというスタンスで、以下の3つのスキルを意識しましょう。
4-1. スキル1:部下の話に「反応」する
- じっくり話す場面で、あいづちやうなずきなどの反応を返すことが非常に大切です。
- 部下は「自分に関心を持ってくれている」と感じて安心し、自信を持って話すことができます。
4-2. スキル2:部下の話を「返す」
- 共感:感情的な場合、「そうなんだ」「それは大変だね」などと感情を合わせることで、信頼関係を高める。
- 整理:話の展開が速い場合、「つまり、〇〇ということ?」などと確認・整理することで、思考をフォローする。
- 肯定と反転:相手の言っていることを別の側面から見て伝え、思い込みに対して新しい意味を見出してもらう。
4-3. スキル3:部下に「質問」する
- 日頃から現場を観察し、部下を人間として気にかけていることが質問の前提です。
- 抽象的な質問ではなく、「例の案件、大変そうだね。最近少し表情が冴えないけど大丈夫?」と具体的な質問で不安を深掘りしましょう。
- 縦に深掘り:「具体的には?」/ 横に広げる:「他には?」
不安が解消されなくても、「自分のことを見てくれている」と、部下のモチベーション維持に結びついていきます。
5. 若手メンバーの心を動かす「人間的関心」と「詰問回避術」
5-1. 若手メンバーの心を動かす「人間的関心」
若い世代には、最初から仕事の話ではなく、本人の関心事に興味を示すほうが早道です。部下の好きなことに付き合い、自ら体験することは、信頼関係を強める立派な仕事です。
距離が縮まって初めて、仕事における本人の価値観について深く話ができ、アドバイスや指導もスムーズに伝わります。
5-2. 詰問を避けるための対話の進め方
リーダーからの質問は詰問になる危険性があるため、焦らずにまずコミュニケーションを取る目的を一緒に話し合うことからスタートすることが大切です。
部下と双方でテーマを作り上げていくことで、「目的も分からず、根掘り葉堀り聞かれる」という誤解を防ぎ、部下から主体的に提案してもらえるような良いコミュニケーション環境を目指しましょう。
リーダー必見!非言語(ノンバーバル)コミュニケーションで部下の本音と信頼を引き出す3大要素
1. 成果を最大化するリーダーの必須スキル:ノンバーバル・コミュニケーション
対話において、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションを抜きにして相手の真意を理解することは不可能です。ノンバーバルとは、身振り手振りだけでなく、目線、姿勢、表情、服装など、言語以外のすべてを指します。
部下の指導において、本音の部分は直接聞くことができません。このような機微な情報を察知し、対話の質を高める上で、ノンバーバル・コミュニケーションはリーダーにとって極めて重要なスキルとなります。
2. 嘘と本音を見抜く:目線と表情の重要性
ノンバーバル・コミュニケーションにおいて、目と顔の表情は最も重要なポイントです。「目は口ほどにものを言う」の通り、会話中に相手の目を見ることで、部下がどの程度話を理解しているか、どう感じているかという多くの情報を得ることができます。
目と顔の表情は、意識的に操ることが難しいため、相手の本音を探るための確かな手掛かりとなります。わずかな変化に気づき、すぐに対応できるリーダーは、対話の上級者になれます。
2-1. 部下のネガティブサイン
| 目線の動き | 示唆される心理(本音) |
|---|---|
| 目をそらす | 退屈だ、話に納得できない、拒否したい |
| 目が泳ぐ | 落ち着きがない、嘘ややましいことがある、不安 |
目を合わせる行為は、性別や状況によって意味合いが変わるため、常に状況を考慮して判断することが重要です。
3. 関係性を左右する:パーソナルスペース(距離)の理解
自分と相手との距離がどのぐらい離れているかによっても、対話に大きな影響を及ぼします。人は誰でもパーソナルスペースを持っており、会社の同僚や上司が突然侵入すると、部下は不快感や威圧感を抱きます。
リーダーは、相手との関係性、話の内容、状況に応じて、互いの心地よい距離を測るように意識しましょう。対人距離への配慮は、部下へのリスペクトを示す行為であり、スムーズな対話の土台となります。
4. イメージを操作する:外見(身だしなみ)の活用
ノンバーバル・コミュニケーションの中で、唯一自分の意思でコントロールできるのが外見(服装や身だしなみ)です。
外見をどのように演出するかで、相手が自分に持つイメージをコントロールすることが可能です。見た目と中身に意図的なギャップを作ることは、相手に強烈な印象を残し、コミュニケーションのフックとしても機能します。
5. まとめ:ノンバーバルを意識して話し上手になる
ノンバーバル・コミュニケーションは、言葉では伝えきれない部下の感情や意図を察知し、指導の境界線を見極める上で欠かせない要素です。
- 目線と表情で本音を読み解く。
- パーソナルスペースでリスペクトを示す。
- 外見でイメージをコントロールする。
これらの要素を対話の重要な要素だと認識し、積極的に活用していくことが、部下の能力を引き出し、信頼関係を深める話し上手なリーダーへの第一歩となります。
察知した本音を深掘り!劇的に変わる「質問術と聞き方」の極意👂
本記事では、非言語(ノンバーバル)コミュニケーションを通じて、部下の隠れた本音と信頼の度合いを察知するスキルを解説しました。
しかし、察知した本音を「言語化」させ、自発的な行動を引き出すには、
「承認」と「質問」の質をさらに高める必要があります。
適切な質問を投げかけ、相手が安心して話せる環境を作ることが、真の信頼関係を築く鍵です。
仕事、人間関係、あらゆる場面で相手の心を確実に開き、本音を引き出しながら、信頼関係を劇的に改善するための具体的な質問術と聞き方について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
若手育成の決定版!「失敗OK」が通用しないロジカル世代を動かす2大原則と伝え方
1. 若手世代の思考回路: ロジカルで失敗を極度に嫌う理由
不況の中で育った現代の若い世代は、現実志向で論理的かつ合理的です。「がむしゃらに働けば成果が出る」時代ではないと悟っているため、行動する前に「なぜこの仕事をするのか」という、納得できる目的や意味を強く求めます。
また、衝突を避ける環境で育ったため、他人からどう思われているかを気にし、失敗やハズレを引くことを極度に嫌がります。
1-1. 失敗回避が招く「相談の遅れ」問題
失敗したくないという心理から、仕事が上手くいってない時でも、ハードなコミュニケーションを避けたいため、相談を先延ばしにしがちです。その結果、直前になって「何も進んでいない」という事態が発覚します。
リーダーが若手育成を成功させるには、こうした価値観や思考回路を理解した上で、伝え方を工夫していく必要があります。
2. 若手育成の原則1:「失敗の効能」を言語化する
失敗を極度に嫌う若手世代にとって、「失敗してもOK」という抽象的な言葉は通用しません。「なぜ正解を教えてくれないのか」と反発する傾向があるため、以下のステップで失敗の効能を論理的に言語化して説明しましょう。
- 挑戦による責任は取らせない環境整備:新しい事業やチャレンジに対する責任は、若手個人には負わせない環境をリーダーが整えることが大前提です。
- 「失敗はデータ収集である」と定義:失敗は感情的なマイナスではなく、「○○という仮説が間違っていた」という次の成功に必要なロジカルなデータだと伝えます。
- 内省を促す質問:*「なぜ失敗したか」ではなく、「この失敗から得られた最も重要な情報は何だと思う?」と問いかけ、失敗を教訓に変えるプロセスを教えます。
3. 若手育成の原則2:「成長メリット」と「自由裁量」にフォーカスする
若手世代は、「どこに行っても通用する普遍的なスキル」を身につけなければ生きていけないという強い危機感と、成長への貪欲さを持っています。この成長意欲に訴えかけることが成功につながります。
3-1. 「受身の仕事」が評価されない理由を伝える
受身でしか仕事をしないことがなぜ評価されないのかを、若手の価値観に沿って理解させましょう。
- 伝えるフレーズ: 「どんな仕事であっても工夫や配慮を加えることで、気配りの人、自分の頭で考えられる人という評価や信頼が積み重なり、『仕事の自由度が上がっていくよ』」
給与よりも、意義ある時間を自由裁量を持って使えることに価値を感じる若手にとって、このメリットは強く響きます。
4. 相談の遅れを防ぐ「コミュニケーションの成功体験」
若手からの相談を早めるために、「相談したら仕事がうまくいった」という成功体験を増やしてあげることが重要です。
4-1. 相談しやすい環境を作る2つの工夫
- 「不機嫌オーラ」はリーダーの罪: 上司が不機嫌オーラを撒き散らすのは、部下の成長機会を奪う罪であることを自覚し、常に受け入れの身構えをしておきましょう。
- 相談OKタイミングの「可視化」:*相談に応じられないタイミングがある場合、若手が萎縮しないよう、相談OKなタイミングをメモなどで可視化しましょう。
この工夫により、若手は安心して相談に行くことができ、「相談の成功体験」が積み重なり、自律的な行動につながります。長年の経験を若手の価値観に寄り添いながら伝え、後進育成に取り組みましょう。
成功者が実践!「人間関係・評価・話し方」の全技術40選を学ぶ💡
本記事では、ロジカル世代を動かす極意として、「失敗はデータ」と定義し、成長メリットに訴えかける育成法を解説しました。
しかし、本当に仕事で成功し、高い評価を得る人々は、
特定の技術を日々の習慣として実践しています。
それは、人間関係の築き方、上司への報連相、評価されるためのセルフマネジメントなど、多岐にわたります。
若手育成で学んだコミュニケーション術を土台として、仕事の成果、人間関係、そして評価の全てを向上させ、成功者の仲間入りをするための具体的な技術40選について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
【脱・植林型】多様性を活かす「雑木林型人材育成」へ!次世代のモチベーションを引き出す3原則
1. 「植林型」から「雑木林型」へ:次世代に求められる人材育成の転換
かつての20世紀型人材育成は、単一品種の樹木を植えるような「人口植林型」、すなわち少品種大量生産のモデルでした。
このモデルを続けると社会が萎えてしまうため、日本が強さを維持するには、一本一本が違う輝きを放つ「雑木林」を育てるような多品種少量生産型の教育が求められています。多様な人材が新たな価値を生み、社会を豊かにするのです。
2. 過渡期の課題:協調性を活かし、多様なスキルを戦力化する
日本企業が持つ協調性や団結力といった良い面は、これからも維持していく必要があります。
今後、高いスキルを持つ多様な人材が現場に配置された時、リーダーには以下の課題が立ちはだかります。
- 彼らの高いスキルを活かしつつ、チームの中でどう戦力化するのか。
- 同じ目的に向けて団結するチームをどう構築するのか。
今のうちから、こうした未来図を念頭に置き、多様な個性を活かすという意識に転換させていく必要があります。
3. 次世代のモチベーションを引き出す「3つの育成原則」
物質的に満たされている若い世代のモチベーションの源泉は、以下の3つの原則に集約されます。
3-1. 原則1:彼らが欲するのは「仲間からの尊敬」
- この世代が最も欲しているのは「仲間からの尊敬」です。
- 5~6人のグループ単位で成績を競い合わせるなどの取り組みを行うと、「皆に迷惑をかけられない」という意識が働き、意欲を引き出せます。
3-2. 原則2:褒めて伸ばす「長所伸長型教育」へ
- 短所ばかり指摘する教育は人間を萎縮させます。
- 否定語を使わず、お互いを称えあうことで自信をつけさせる「長所伸長型教育」こそ、次世代人材を育てる教育のあるべき姿です。
- 現場を率いるリーダーにとっても、一人ひとりの長所をいかに伸ばすかという視点は、チーム力を上げるために不可欠です。
3-3. 原則3:能力に応じて「裁量権」を個別最適化する
リーダーは、能力をそれぞれ見極めながら、その活かし方を個別に考えていく必要があります。
| 人材タイプ | リーダーの対応 |
|---|---|
| 卓越した優秀な人材 | 自由裁量権を与え、細かく指示をしない。 |
| 力の足りない人材 | 能力を見極めながら、細やかな指導とフォローを個別に行う。 |
この能力に応じた裁量権の個別最適化こそが、多様な個性を最大限に活かし、組織全体の力を高める現代のリーダーに求められる役割です。
個人の力を成果に変える!目標達成のための「自己変革戦略」へ🚀
本記事では、多様性を活かす「雑木林型人材育成」を掲げ、長所伸長型教育や裁量権の個別最適化によって、次世代のモチベーションを引き出す極意を解説しました。
このチーム戦略を具体的な目標達成に結びつける鍵は、
リーダー自身を含む個々人の「自己変革力」です。
VUCA時代に成果を生み出すには、モチベーションの持続、数字に基づく思考(数字思考)、そして戦略的な行動が不可欠です。
チームの育成戦略を、確実な目標達成に結びつけるために、自己変革を促し、モチベーションと数字思考を極めるための決定版戦略について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

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